Classici giapponesi con furigana
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かいじょうのみち
海上の道
柳田 国男
Leggi 海上の道 (かいじょうのみち) di 柳田 国男 (やなぎたくにお) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 182.344 caratteri · 353 schermate
二〇
の疆域を守って、そう無造作には出て行かなかった。まして海上の不知不案内を犯して、危険と闘うような必要などは有り得ないはずであった。高千穂触峯の旧伝を否定して、人類遷移の法則を合理化しようとすれば、どうしてもこうした中世式な考えかたを見習わなければならない。お蔭で日本の国の始めは、存外に新らしいものになってしまった。島国成立の年久しいということは、いわば我々の艱苦の永く続いたことを意味し、必ずしもそれを誇りとして立証すべきものでもあるまいが、仮に私などの推定せんとするごとく、いわゆる東夷の活躍が次第に影響を中原の文化に及ぼし、宝貝の重視熱望がほぼ頂点に達せんとした時代が、ちょうど極東列島のいずれかの一つに、始祖日本人の小さな群が足を印した頃らしいときまると、それから後の約二千年、すなわち安全なる年代記に繋がるまでの大きな空間は、まずそっくりとこの九学会の領分に入ってきて、外ではただ研究の成果を期待することになるであろう。みなさんの責任は無上に重くはなるが、この想像はかなり爽快なものだと思う。
二〇
私は年をとり気力がすでに衰えて、そう多量の仕事を分担することが許されぬが、稲作の問題だけは、是からもなお些しずつ考えて行き、必要とならば横合いから口を挟んでみようとしている。