Classici giapponesi con furigana
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かいじょうのみち
海上の道
柳田 国男
Leggi 海上の道 (かいじょうのみち) di 柳田 国男 (やなぎたくにお) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 182.344 caratteri · 353 schermate
九 氏族と信仰の対立
九 氏族と信仰の対立
最近に世に出た喜舎場翁の『八重山歴史』を一読して、自分は改めてまたこの島でいうところのニーラスク、遠い昔の世の海上浄土、我々の生命の古里の、昔にかわる姿を心に描いてみた。セヂという言葉のここでは稀にも用いられないのは、多分はそれが国王のものときまってからすでに年久しく、島にはそれを受用する者がいなかったためであろう。在番と称して首里から或る期間派遣せられていた監督官と、その下にはやや、必要以上に多数な島出身の大小の役員があったが、彼らは門地と年功とを頼み、所定の給禄と待遇に安堵して、努めて無事閑散の日を送ろうとし、島以外の事情はあらかじめ知る途が無い故に、むしろその不安を詩酒遊芸の間に忘れようとした姿があった。島に特有なる生活伝統、中でも海のあなたの遥かなる楽土から、心強い毎年の好意を送り続けていた、古来の神々の約束などは、もっぱら現実に土に労苦する下層の人々だけに管理させて、指導はおろか分担もしなかったことは、少しばかり日本の近代社会と近く、沖縄本島の実際とは大分ちがっていた。
そのかわりには、ここには意識した教法の改革というものがなく、やや散乱の姿ではあるけれども、固有の信仰の古い形が、さまでの強弁を費さずして、ほぼ窺い知ることができるようである。