Classici giapponesi con furigana
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かいじょうのみち
海上の道
柳田 国男
Leggi 海上の道 (かいじょうのみち) di 柳田 国男 (やなぎたくにお) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 182.344 caratteri · 353 schermate
四
、第3水準1-91-30)苡仁」の三字で、字の形はすぐ覚えたが意味は不明、それよりもまず何と読むのかが、知りたくてたまらなかった。少年が始めて漢字を習得するのには、本よりも何よりも、こういうのが最も適切な方式であった。私は自身の悩みを処理する力として、二つと半分の未知の文字に当面したので、それを即座に自分のものとしようという、意欲に燃えなかったらむしろ白痴であろう。父の解説はしかも満点であった。これはヨクイニンと読む。おまえたちが毎歳採ってくる、あのジュズ玉の皮を取ったものなのだと教えてくれた。これを聴いた時からちょうど七十年、まだ宿根は残っているものとみえて、今頃またこのような話を花咲かしめることになった。疣も現在はもうすっかり治っているのだが、やはり縁に引かれて時々は想い出される。
四
新たな経験は次々と、この幼い日の思い出の上に積み重ねられた。最初の一つなどはまずしくじりの例だが、なおかつそれに導かれて思いかけぬ問題にめぐり逢うことができた。疣から多分四年の後に、私は親に別れて関東の土を踏み、茨城県の西南隅、布川という町に暫く住んでいたが、その頃がちょうど鳩麦煎餅という、紙の筒に入った丸い煎餅の、人気に投じて盛んに売り弘められた時で、その製造元は爰から五、六里の、たしか鳩崎という小さな町にあった。