Classici giapponesi con furigana
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かいじょうのみち
海上の道
柳田 国男
Leggi 海上の道 (かいじょうのみち) di 柳田 国男 (やなぎたくにお) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 182.344 caratteri · 353 schermate
一五
惜しいかな文字の記伝に乏しく、外部に立つ者にはもう利用することができない。海を環っている潮流のこまごまとした枝分れ、常吹く風の季節ごとの移動など、やがては綿密な学者の調査が、一々の地区について説明してくれる日がくるのだろうけれども、今は何分にもまだその便宜がなく、たとえば支那南海を黒潮に乗ってという類の大胆な一説が、誰にも笑われずに闊歩する時代なのだから、当分はやはり従来の切れ切れの経験の跡を繋いで行くのほかはないのである。
一五
勿論私は椰子の実の漂着地の一つをもって、原始日本人の上陸点と見ようとするのではない。しかし少なくとも日本の海岸線の数千里の延長の中で、とくに殊邦の物の流れ寄りやすい区域が限られ、したがって久しく世に知られずに過ぎたという点は参考になり、同時にまた簡単なる学校地図によって、ここが近いからこの辺から渡って来たろうなどと、まるで飛石伝いのような早合点をする人を、笑ってもよいことになるのである。
八重の汐路という言葉は、歌や物語にこそしばしば用いられるが、それが如何なる力をもつかを考えてみた人は、名もなき海上の猛者ばかりであった。