Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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かいじょうのみち

海上の道

柳田 国男

Leggi 海上の道 (かいじょうのみち) di 柳田 国男 (やなぎたくにお) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 182.344 caratteri · 353 schermate

Aozora Bunko

佐渡じゃ蚯蚓が糞にひるという、近代の俗謡にもあるように、この東方の珊瑚礁間の島々では、腰蓑一つであるき廻ったほどの自然児が、暇にまかせて朝夕に採っては緒に繋ぎ、頸に掛け手足に纏うていた宝貝が、ひとたび洋海を越えて輸送せられて、内陸深く持ちこんで行かれると、たちまち珍奇としてめで迎えられたのみか、次第に新たなる魅力を発散して、人をして身命を傾けしめ、いわゆる九鼎大呂にも換え難しと、感ぜしめた時代もかつてはあった。必ずしも島人が企て望んだことでないにもかかわらず、世降って価値が広く認められるようになれば、すなわち彼らは風濤の間に辛苦しなければならなかったのみか、ついには無始の昔からの自然の楽しみを挙げて、これを忘却の奥に送り込むようなことにもなったのである。

私の主題としてきたズズダマという一種の植物の分布と存続、または人間からの承認は、少なくともわが極東の島群に至っては、この埋もれたる大きな歴史と関係が有ったように思われる。我々は他にもさまざまの生活上の要求があって、いつまでも宝貝の多い渚には留まっておられなかった。次第に肌寒い北の海辺にも船を寄せ、後にはさらに山や岡を越えて、海の見えない川内でも世を送らねばならなくなった。