Classici giapponesi con furigana
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かいじょうのみち
海上の道
柳田 国男
Leggi 海上の道 (かいじょうのみち) di 柳田 国男 (やなぎたくにお) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 182.344 caratteri · 353 schermate
いわゆる扶桑伝説はすなわち是で、多分は太陽の海を離るる光景の美しさ貴とさから、導かれたもののごとく私たちは推測している。秦の徐福が童男女三百人をつれて、仙薬を求めて東方の島に渡ったということは世に知られ、我邦でも熊野の新宮がその居住地であったとか、あるいは八丈島の人の始めが彼らではなかったろうかとか、いう類の雑説が色々と発生しているけれども、それはいずれもあちらの記録を読んでから後に、考え出したことだからちっとも当てにならない。ともかくも本国においては永遠に行方知れずであり、この遠征によって彼我の交通が、開けたことにはなっていないのである。
欧陽修の日本刀の歌は、日本にも夙く伝わっていて、
徐福往くとき書未だ燬けず
逸史百篇今なほ存す 云々
という句などは、私たちもまだ記憶するが、こちらの歴史に引比べてみると、王仁の『千字文』などよりは是はまたずっと前のことで、明かに詩人の空想であったことがすぐに判る。太平の天子が人の世の歓楽に飽き満ちて、そろそろと不老不死の術を恋い焦れ、ついに道士の言に欺かれて無益の探求を企つるに至ったなどは、いわば支那古代の小説の一つの型であって、たまたまその中の特に美しく、かつ奇抜にして人心に投じたものが、永く記伝せられて世に残ったにすぎぬことは、今日はもう疑う人もあるまい。