Classici giapponesi con furigana
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かいじょうのみち
海上の道
柳田 国男
Leggi 海上の道 (かいじょうのみち) di 柳田 国男 (やなぎたくにお) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 182.344 caratteri · 353 schermate
一六
、故郷の浜に還ることも不可能ではなかったろう。
一六
そこでいよいよ私の問題の中心、どうしてそのような危険と不安との多かった一つの島に、もう一度辛苦して家族朋友を誘うてまで、渡ってくることになったのかということになるのだが、私は是を最も簡単に、ただ宝貝の魅力のためと、一言で解説し得るように思っている。秦の始皇の世に、銅を通貨に鋳るようになったまでは、中国の至宝は宝貝であり、その中でも二種のシプレア・モネタと称する黄に光る子安貝は、一切の利慾願望の中心であった。今でもこの貝の産地は限られているが、極東の方面に至っては、我々の同胞種族が居住する群島周辺の珊瑚礁上より外には、近いあたりには、これを産する処は知られていない。ことに大陸の沿海のごときは、北は朝鮮の半島から馬来・印度の果まで、稀にもこの貝の捕れるという例を聴かず、永い年代に亙ってすべてこれを遠方の島に求めていた。単なる暖流の影響という以上に、浅い岩瀬でないと生息しなかったためかと思われる。今でも南海の産という言葉を、心軽く使っている人も有るようだが、古くは嶺南の陸路は通じなかったのみでなく、海まで降りて行けば必ず手に入ると、いうものでは決してなかったのである。