Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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かせいへいだん

火星兵団

海野 十三

Leggi 火星兵団 (かせいへいだん) di 海野 十三 (うんのじゅうざ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 307.889 caratteri · 618 schermate

Aozora Bunko

30 妙な申出

「あっ!」

先生の目は、くらくらとした。

30 妙な申出

穴の中で、新田先生はとつぜんまぶしい光をあびせかけられ、はっとした。

眼がくらくらとして、頭のしんが、つうんと痛くなった。そうして、ひょろひょろと、足元があやしくなって、踏みこたえるいとまもなく、その場にどすんと尻餅をついてしまった。

(どうにでもなれ!)

先生はもう覚悟をきめた。

耳元では、例の通り、ひゅうひゅうぷくぷくと、火星の生物が、奇声を出しながらしきりに騒いでいた。

しばらくして新田先生は、とつぜん呼びかけられた。

「さあ、顔を上げなさい、新田先生」

先生はびっくりした。いきなり人間の言葉で、呼ばれたのであった。しかも自分の姓まで、知っているのだ。

一体自分を呼んだのは誰?

新田先生は、光の中に顔を上げた。

目の前に一人の男が立って、先生の方を見ていた。黒い長マントを着て、つばの広い帽子をかむった長身の男だった。眼には黒いふちの大きな眼鏡をかけているのだった。

「あっ、丸木?」

新田先生はおどろいて、その場にはね起きようとしたが、相手のために肩をおさえつけられた。それは、かなりの強い力だったから、新田先生は起きあがることが出来なかった。