Classici giapponesi con furigana
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かせいへいだん
火星兵団
海野 十三
Leggi 火星兵団 (かせいへいだん) di 海野 十三 (うんのじゅうざ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 307.889 caratteri · 618 schermate
9 ああ天狗岩
「先生、すみません」
千二は、言葉すくなに、先生にお礼を言った。が、彼の大きなうれしさは、両眼からぽたぽたと落ちる涙が、それをはっきり語っていた。
「なあに、お礼なんか言わなくてもいいよ。僕は、自分の教えた生徒が、苦しんでいるのをじっと見ていることは出来ない。生徒がいくら大きくなっても、またえらくなっても、やはり先生は先生だ。生徒のためになるように働くのが、やはり、先生のつとめなんだ」
「先生、ありがとうございます。父にもよろしく言って下さい」
「よしよし、心配するな。君も、そのうちここから外へ出してもらえるだろうが、それまでは、じめじめした気持をすてて、元気でいなければだめだよ。では、失敬」
「先生、もうおかえりになるんですか」
「うん。僕は、これから例の事件について、活動を始めるつもりだ。たとい半日でも、一時間でも、君を早く自由の体にしてやりたいからね」
9 ああ天狗岩
千二少年のため、新田先生は、ついに立ちあがったのだ。
先生は、大学の勉強をしばらくやめることにして、教え子のうえにふりかかった怪事件をとこうと決心した。まことにうれしい新田先生の気持だった。