Classici giapponesi con furigana
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かせいへいだん
火星兵団
海野 十三
Leggi 火星兵団 (かせいへいだん) di 海野 十三 (うんのじゅうざ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 307.889 caratteri · 618 schermate
17 意外な室内
「たいへんお急ぎですね」
「うむ。いや、なに、ちょうど読書にあきたところだからのう」
博士は、なぜか、ぽっと顔をあからめて、そう言うと、帽子もかぶらず、そのまま玄関から出て行った。
新田先生は、博士について行って、また千二少年に会ってみたい気がしたが、しかし少し別に考えることがあったので、
「じゃあ、行ってらっしゃいまし」
と、玄関で博士を送り出したまま、自分は急いで研究室の方へ引返した。
新田先生は、室内にはいると、すぐさま、博士がさっきまで書見をしていた大きな机へ突進した。そうしてその大引出を、開いてみたのであった。
「確かに、博士は、あれを置いて行ったと思うのだが……」
と、新田先生は、しきりに、何かを探し始めた。
17 意外な室内
蟻田博士邸にはいりこんだ新田先生が、博士のすることについて、いろいろと気をつけていると、わりあい明けっぱなしの博士が、ただ一つたいへん用心をしていることがあった。それは、この天文台と棟つづきの奥まった一つの部屋に出入するのに、かならず鍵を用いていたことである。
しかも博士は、その部屋へいく時は、きっと、横目でじろりと新田先生の様子をうかがい、それから先生に気づかれないように、そっと大引出をあけ、中から鍵を取出し、てのひらに握ってから、席をはなれるのであった。