Classici giapponesi con furigana
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かせいへいだん
火星兵団
海野 十三
Leggi 火星兵団 (かせいへいだん) di 海野 十三 (うんのじゅうざ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 307.889 caratteri · 618 schermate
どうしても、ただの人間とは思われない。
千二は袋の中から、声をかけた。
「ねえ、丸木さん。おじさんは、なぜ火星のボートの中にいたの。僕が火星のボートの中で、目をさました時、おじさんは隣の部屋から出て来たでしょう。すると、おじさんは、僕より早くから、あのボートの中にいたわけね」
丸木は、どんどんスピードをあげて、走り続けながら、
「こら、千二。よけいな口をきくものじゃないよ。だまっていなさい」
と、叱りつけた。丸木は、たいへん気をわるくしているらしいことが、その声からわかった。
千二は丸木に叱られて、しばらく黙っていた。しかし彼は、間もなくまた丸木に話しかけた。
「ねえ、丸木さん。今は、まだ昼かしらん、それとも夜かしらん」
「よく喋る子供だな。そんなことぐらい、きかなくても、わかるじゃないか」
丸木の返事は、あいかわらず、ぶっきらぼうであった。
「僕には、昼だか夜だか、どっちだかわからないんですよ。だって、僕は、厳重な目かくしをされているんだもの」
「ああ、そうだったね」丸木は、ようやく思い出したらしい。「いまは夜だよ。外は、真暗で、どの家も戸をしめているよ。