Classici giapponesi con furigana
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かせいへいだん
火星兵団
海野 十三
Leggi 火星兵団 (かせいへいだん) di 海野 十三 (うんのじゅうざ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 307.889 caratteri · 618 schermate
そんなことを聞いて、一体どうする気だ」
「そして今、幾時?」
「時刻か、さあ、幾時だかわからない」
「おじさんは、時計をもっていないの」
「時計? 時計なんか持っているものか。おい千二。東京へ近くなったから、もうお喋りしちゃならんぞ」
「えっ、もう東京の近くまで来たの」
千二は、丸木の足のはやいのにおどろいた。さっきから、まだものの二十分とたっていないのに、はや東京の近くへやって来たというのだ。そんなばかげた話はない。千二は、丸木がうそをついているのだと思った。
丸木は、かまわず、どんどんと駈けつづけた。しばらくして、丸木はこえをかけた。
「おい千二、もう東京の中だ。買物をするのには、銀座がいいのだろうね」
「さあ、僕はよく知らない。だって僕は、そう幾度も東京へ来たことがないんだもの」
「なあんだ。お前は、こんな近い東京をよく知らないのか。とにかく、銀座へ出よう。さあ、このへんなら、人通りがないから、お前の目かくしを取るには、いい場所だ」
そう言うと、丸木ははじめて足をとめた。そうして袋の中にはいっていた千二は、丸木の肩から下された。
「今、中から出してやるし、目かくしもとってやるが、その前に一つ、きびしく言っておくことがある」