Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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かせいへいだん

火星兵団

海野 十三

Leggi 火星兵団 (かせいへいだん) di 海野 十三 (うんのじゅうざ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 307.889 caratteri · 618 schermate

Aozora Bunko

「金は、今ここに持っていないのだ。だが、すぐあとから持って来る。金を持って来れば、かならずボロンの大壜を三つ渡してくれるね」

「そんなに、くどくおっしゃって下さらなくとも、大丈夫です。かならずお渡しいたします」

「きっとですぞ。きっとだ! もしそれをまちがえたら……」

と言いかけて、丸木は、後の言葉をのみこみ、

「いや、すぐにお金を持って来る。待っていてくれたまえ」

おし問答のはて、丸木は薬屋の店をとび出した。

「おい千二。お金を手に入れなければならないんだ。さあ、お前も来い」

何を考えたか、丸木は、千二の手を取ってどんどん走りだした。

もう午後九時は近い。が、銀座通は、昼間のように、たいへんにぎやかであった。

丸木はその人込の中をわけていく。一体彼は、なぜお金を持っていないのであろうか。

丸木は、千二の手を引いたまま、夜の銀座通の人波をかきわけて、どんどん前へ歩いていく。

「丸木さん、どこへいくの」

千二が、心配になって聞くと、

「だまっておれ。声を出すと、ひねりころすぞ」

丸木は気がいらいらしているらしく、ひどい言葉で、千二をしかりつけた。千二は、丸木の冷たい手から、自分の手をはなそうと試みたが、丸木の手は、まるで大きな釘抜のように、千二の手をしめつけていて、はなすことが出来なかった。