Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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かせいへいだん

火星兵団

海野 十三

Leggi 火星兵団 (かせいへいだん) di 海野 十三 (うんのじゅうざ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 307.889 caratteri · 618 schermate

Aozora Bunko

近所の人らしい。

新田先生は、そこでしずかに礼をして、はいっていった。先生が名乗をあげると、お医者さんをはじめ次の部屋へつめかけている人までが、親切な先生が、とおく来てくれたことを感謝した。

その時、お医者さまの話では、千蔵がここにかつぎこまれて後ずっと人事不省になっていて、いくら注射をしても、気がつかないので、困っているということだった。

「それは、困りましたねえ」

と、新田先生も、おなじことを言った。

お医者さんは、千蔵の脈をじっとかぞえて首をかしげていた。

氷ぶくろを持って来たり、こまごました用事をしていたのは、千蔵の家のとなりに住んでいる佐伯さんという人だったが、彼は、新田先生に向かい、

「この千蔵さんは、天狗岩の上で、ひっくりかえっていたんです。あのとおり大怪我をして、虫の息だったんです。出血多量というやつで、今朝がたに輸血までしたのですが、ここらで気がついてくれればいいのですがねえ」

と言った。

それを聞くと、新田先生は、

「では、千蔵さんは、なぜ怪我をしたか、まだそのわけを、だれにも話していないのですか」

「そうです。なにしろ千蔵さんが、人事不省のままここへかつぎこまれたのですから、よくわからないですが、とにかくお聞きでしたろうが、火柱にやられたらしいと噂しています」