Classici giapponesi con furigana
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みみずのたわこと
みみずのたはこと
徳冨 健次郎
Leggi みみずのたはこと (みみずのたわこと) di 徳冨 健次郎 (とくとみけんじろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 265.437 caratteri · 530 schermate
二十分の後此楽屋から現われ出た花嫁君を見ると、秋草の裾模様をつけた淡紅色絽の晴着で、今咲いた芙蓉の花の様だ。花婿も黒絽紋付、仙台平の袴、凜として座って居る。
媒妁は一咳してやおら立上った。
「勝田慶三郎」
「松居千代」
卒業免状でも渡す時の様に、声厳に新郎新婦を呼び出して、テーブルの前に立たせた。而して媒妁は自身愛読する創世記イサク、リベカ結婚の条を朗々と読み上げた。
「祈祷を致します」
斯く云って、媒妁がやゝ久しく精神を統一すべく黙って居ると、
「祈祷を致すのでございますか」
と新郎がやゝ驚いた様に小声できく。媒妁は頓着なく祝祷をはじめた。
祈祷が終る。妻が介抱して、新郎新婦を握手させる。一旦新婦の手からぬいて置いた指環を新郎に渡し、あらためて新郎の手ずから新婦の指に嵌めさす。二人ながら震えて居る。
屋敷に門無く、障子は穴だらけである。村あってより見たこともない夥しい車の入来に眼を驚かした村の子供が、草履ばた/\大勢縁先に入り込んで、ぽかんとした口だの、青涕の出入する鼻だの、驚いた様な眼だのが、障子の穴から覗いて居る。「何だ、ありゃ」。「あ、あ、あら、如何するだンべか」