Classici giapponesi con furigana
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みみずのたわこと
みみずのたはこと
徳冨 健次郎
Leggi みみずのたはこと (みみずのたわこと) di 徳冨 健次郎 (とくとみけんじろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 265.437 caratteri · 530 schermate
風がさあっと西から吹いて来る。庭の翠松がばら/\と雫を散らす。何処かでキリン/\と蜩が心地よく鳴き出した。
時計を見ると、二時三十分。夕立は唯三十分つゞいたのであった。
浴衣を引かけ、低い薩摩下駄を突かけて畑に出た。さしもはしゃいで居た畑の土がしっとりと湿うて、玉蜀黍の下葉やコスモスの下葉や、刎ね上げた土まみれになって、身重げに低れて居る。何処を見ても、うれしそうに緑がそよいで居る。東の方では雷がまだ鳴って居る。
「虹収仍白雨、雲動忽青山」
斯く打吟じつゝ西の方を見た。高尾、小仏や甲斐の諸山は、一風呂浴びて、濃淡の碧鮮やかに、富士も一筋白い竪縞の入った浅葱の浴衣を着て、すがすがしく笑んで居る。
「キリン、キリンキリン!」
蜩がまた一声鳴いた。
隣家の主人が女児を負って畑廻わりをして居る。
「好いおしめりでございました」
と云う挨拶を透垣越しに取りかわす。
二時間ばかりすると、明日は「おしめり正月」との言いつぎが来た。
詩篇を出して、大声に第六十五篇を朗詠する。
『爾地にのぞみて水そゝぎ、大に之をゆたかにし玉へり。神の川に水満ちたり。爾かくそなへをなして、穀物をかれらにあたへたまへり。