Classici giapponesi con furigana
ja-reading.com
Leggi i classici giapponesi online con furigana. Filtra per livello JLPT, tocca una parola per il significato e traduci una frase.
みみずのたわこと
みみずのたはこと
徳冨 健次郎
Leggi みみずのたはこと (みみずのたわこと) di 徳冨 健次郎 (とくとみけんじろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 265.437 caratteri · 530 schermate
呀、熱、と云いたい位。つゞいて一方の足も入れると、一気に撞と尻餅搗く様に坐わる。甕の縁を越して、水がざあっと溢れる。彼は悠然と甕の中に坐って、手拭を濡らして、頭から面、胸から手と、ゆる/\洗う。水はます/\溢れて流れる。乾いた庭に夕立のあとの如く水が流れる。油断をした蟻や螻が泡を喰って逃げる。逃げおくれて流される。彼は好い気もちになって、じいと眼をつぶる。眼を開いて徐に見廻わす。上には青天がある。下には大地がある。中には赤裸の彼がある。見物人は、太陽と雀と虫と樹と草と花と家ばかりである。時々は褌の洗濯もする。而してそれを楓の枝に曝らして置く。五分間で火熨斗をした様に奇麗に乾く。
十分十五分ばかりして、甕を出る。濡手拭を頭にのせたまゝ、四体は水の滴るゝまゝに下駄をはいて、今母の胎内を出た様に真裸で、天上天下唯我独尊と云う様な大踏歩して庭を歩いて帰る。帰って縁に上って、手拭で悉皆体を拭いて、尚暫くは縁に真裸で立って居る。全く一皮脱いだ様で、己が体のあたりばかり涼しい気がそよぐ。縁から見ると、七分目に減った甕の水がまだ揺々して居る。其れは夕蔭に、乾き渇いた鉢の草木にやるのである。