Classici giapponesi con furigana
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みみずのたわこと
みみずのたはこと
徳冨 健次郎
Leggi みみずのたはこと (みみずのたわこと) di 徳冨 健次郎 (とくとみけんじろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 265.437 caratteri · 530 schermate
睡くなった。頭がしびれて来た。何処でもよい、此重い頭を横たえたくなった。余はうつら/\と夢心地に本願寺の近辺をぶらついた。体で余は歩かなかった。幽霊のようにふら/\とさまようた。不図墓地に入った。此処は余も知って居る。曾て一葉女史の墓を見に来た時歩き廻った墓地である。余は月あかりに墓と墓の間を縫うて歩いた。誰やらの墓の台石に腰かけて見た。然し此処は永く眠るべき場所である。一夜の死を享く可き場所ではない。余は墓地から追い出されて、また本願寺前の広場に出た。
不図本願寺の門があいて居るのを見つけた。門口には巡査か門番かの小屋があって、あかりがついて居る。然し誰咎むる者も無いので、突々と入って、本堂の縁に上った。大分西に傾いた月の光は地を這うて、本堂の縁は闇い蔭になって居る。やっと安息の場所を獲て、広縁に風呂敷を敷き、手枕をして横になった。少しウト/\するかと思うと、直ぐ頭の上で何やらばさ/\と云う響がした。余は眼を開いて頭上の闇を見た。同時に闇の中に「ク※(二の字点、1-2-22)ク※(二の字点、1-2-22)」と云う囁やきを聞いた。
「あ、鳩だ」
余はまたウト/\となった。