Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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みみずのたわこと

みみずのたはこと

徳冨 健次郎

Leggi みみずのたはこと (みみずのたわこと) di 徳冨 健次郎 (とくとみけんじろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 265.437 caratteri · 530 schermate

Aozora Bunko

皆が店を覗いて、与右衛門さんのお株梅ヶ谷の独相撲がはじまりだ、と笑う。与右衛門さんは何処までも自己中心である。人が与右衛門さんの地所を世話すれば、世話人は差措いて必直談に来る。自身の世話しかけた地所を人が直談にすれば、一盃機嫌で怒鳴り込んで来る。

然し与右衛門さんは強慾であるかわり、彼は詐を云わぬ。詐は貨幣同様天下の通り物である。都でも、田舎でも、皆それ/″\に詐をつく。多くの商売は詐に築かれた蜃気楼と云ってもよい。此辺の田舎でも、些とまとまった買物を頼めば、売主は頼まれた人に、受取は幾何金と書きましょうか、ときく。コムミッションの天引は殆不文律になって居る。人を見て値を云う位は、世にも自然な事共である。東京から越して来た人に薪を売った者がある。他の村人が、あまり値段が高いじゃないかと注意したら、売り主の曰く、そりゃ些ア高いかも知んねえが、何某さんは金持だもの、此様な時にでも些ア儲うけさして貰わにゃ、と。而して薪の売主は、衆議院議員選挙権を有って居る、新聞位は読んで居る男である。売る葺萱の中に屑をつめ込んで束を多くする位は何でも無い。

誰も平気に詐をつく。