Classici giapponesi con furigana
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みみずのたわこと
みみずのたはこと
徳冨 健次郎
Leggi みみずのたはこと (みみずのたわこと) di 徳冨 健次郎 (とくとみけんじろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 265.437 caratteri · 530 schermate
黒んだ大きな木造の建物、細長い建物、一尺の馬が走ったり、二寸の兵が歩いたり、赤い旗が立ったり、喇叭が鳴ったりして居る。日露戦争凱旋当時、此丘上に盛大な師団招魂祭があって、芝居、相撲、割れる様な賑合の中に、前夜恋人の父から絶縁の一書を送られて血を吐く思の胸を抱いて師団の中尉寄生木の篠原良平が見物に立まじったも此春光台であった。
余は見廻わした。丘の上には余等の外に人影も無く、秋風がばさり/\の葉を揺かして居る。
春光台腸断ちし若人を
偲びて立てば秋の風吹く
余等は春光台を下りて、一兵卒に問うて良平が親友小田中尉の女気無しの官舎を訪い、暫らく良平を語った。それから良平が陸軍大学の予備試験に及第しながら都合上後廻わしにされたを憤って、硝子窓を打破ったと云う、最後に住んだ官舎の前を通った。其は他の下級将校官舎の如く、板塀に囲われた見すぼらしい板葺の家で、垣の内には柳が一本長々と枝を垂れて居た。失恋の彼が苦しまぎれに渦巻の如く無暗に歩き廻った練兵場は、曩日の雨で諸処水溜りが出来て、紅と白の苜蓿の花が其処此処に叢をなして咲いて居た。
釧路
(一)
旭川に二夜寝て、九月二十三日の朝釧路へ向う。