Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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みみずのたわこと

みみずのたはこと

徳冨 健次郎

Leggi みみずのたはこと (みみずのたわこと) di 徳冨 健次郎 (とくとみけんじろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 265.437 caratteri · 530 schermate

Aozora Bunko

それでも強者の歯をのがれぬ場合がある。最早懲りたろうと思うて居ると、今度出る時は、又候跟いて来る。而して往復途中の出来事はよく/\頭に残ると見えて、帰ったあとで樫の木の下にぐったり寝ながら、夢中で走るかの様に四肢を動かしたり、夢中で牙をむき出しふアッと云ったりする。

弱くても雄は雄である。交尾期になると、二日も三日も影を見せぬことがあった。てっきり殺されたのであろうと思うて居ると、村内唯一の牝犬の許に通うて、他の強い大勢の競争者に噛まれ、床の下に三日潜り込んで居たのであった。武智十次郎ならねども、美しい白が血だらけになって、蹌踉と帰って来る姿を見ると、生殖の苦を負う動物の運命を憐まずには居られなかった。一日其牝犬がひょっくり遊びに来た。美しいポインタァ種の黒犬で、家の人が見廻りして来いと云えば、直ぐ立って家の周囲を巡視し、夜中警報でもある時は吾体を雨戸にぶちつけて家の人に知らす程怜悧の犬であった。其犬がぶらりと遊びに来た。而して主人に愛想をするかの様にずうと白の傍に寄った。あまりに近く寄られては白は眼を円くし、据頸で、甚固くなって居た。牝犬はやがて往きかけた。