Classici giapponesi con furigana
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けんなんじょなん
剣難女難
吉川 英治
Leggi 剣難女難 (けんなんじょなん) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 243.807 caratteri · 482 schermate
「毛頭、おぼえのない女でござる」
「これでも――」
御方はついと立った。そして、荒々しく一方の襖を開けた。
「あッ――」
新九郎は愕然として、薄暗い隣り部屋へ声を放った。おお、そこに猿轡をかけられて、縛められている女の影は、まさしく、あの夜から行方の知れなくなったお延である。
お延は身をもがいている、けれど声を立てることも、新九郎の側へ寄ることもできなかった。御方の怖ろしい復讐の念は、それを快く眺めるのである、いやそれのみか、侍女に酒の用意をいいつけて、お延のもがく目の前で、新九郎と甘い恋の囁きを見せつけようとまでする。
その時だった、不意に表の方で、キャッという侍女の悲鳴が上がった。途端に、老女の水瀬が色を変えて駈け込んできた。
「御方さま、狼藉者の乱入でござります、狼藉者が、あれ、あれッ……」
と告げながらけたたましい声を上げてしまったのは、もうそこまで、覆面抜刀の荒くれ武士が、襖障子を蹴破って入りこんできたためであった。
「この寮にいる御曹子の新九郎と、女主の女郎を出せ、山手組が出向いて来たのだ。匿い立てする分には片っ端から鏖殺しだぞ」
大刀きらめかして、そのうち四、五人は、早くもこの部屋へなだれ込んで来たが、