Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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たいらのまさかど

平の将門

吉川 英治

Leggi 平の将門 (たいらのまさかど) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 232.193 caratteri · 463 schermate

Aozora Bunko

「四十ぐらいかと思います」

「一人か?」

「え。お一人です。けれど、太刀も立派なのを横たえ、都の人々でも、左大臣家の誰彼でも、この地方の国司、郡司でも、みな呼び捨てになさいます。――そして、酒がお好きで、朝から飲んでは、将頼兄をつかまえて、一日中、杯を離しません。都はおろか、九州の果てから、この坂東地方の事まで、じつによく何でも知っていると、将頼兄も舌をまいて、尊敬しておりましたよ」

「はてなあ。誰だろう」

将門には、思い当りがない。左大臣の使いなら、供の四、五名は連れているはずと思う。

それにしても、氏も素姓もしれない旅の人間を、館へ泊めておくばかりか、朝から酒を出して、傅いている将頼や、この弟たちの、無批判と、世間知らずには、唖然とした。これでは、あの叔父共が、悪心を起したのも、むりはないと考えられた。彼は、自分を、世間知らずのお人好しとは思わない。それどころか、余りなお人よしは、周りに、悪人を作るものだとさえ気がついた程だった。そして、歯がゆい弟共に、腹が立つと共に、

(都も都だし、田舎もこれだ。正直者が正直に住める地上など、ありそうもない。――その中を、下の弟五人も抱えて、世に剋ってゆくには、叔父共の上を超えた肚ぐろさも、持たねばだめだ。