Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

ja-reading.com

Leggi i classici giapponesi online con furigana. Filtra per livello JLPT, tocca una parola per il significato e traduci una frase.

たいらのまさかど

平の将門

吉川 英治

Leggi 平の将門 (たいらのまさかど) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 232.193 caratteri · 463 schermate

Aozora Bunko

妻ならぬ妻は、郷内にもおいていた。館の棟のちがう所に住んでいたかもわからない。しかし、正妻はまだ娶っていなかった。

「兄者人。私は知っています。……当ててみましょうか」

いったのは、弟の将頼である。

将頼は、うしろにいた梨丸と、顔を見合せて笑った。

「なに。知っていると?」

「分っていますとも」

「当ててみろ」

「当てたら、何を下さる?」

「おまえには、御厨の御料地をふくむ、守谷一郷をやる」

「え。……まさか、兄者人、そんな、おねだりはしません」

「よいから、いえ。当ててみろ」

「野霜の……桔梗どのでしょう」

「そうだ」

将門は、手を打った。そうだといった声も、途方もない大声だったので、みな、あっ気にとられて、将門を、見まもった。

しかも将門は、あわてて杯を唇へ運び、眼に涙をためていた。そして、将頼に、杯を与えた。

「当たったよ、将頼。分っていてくれたのだな、うれしいぞ。……どうだ、将平も、将文も、将武も、将為も」

ずっと、弟たち、すべての顔を見わたして、

「桔梗どのを、おれが、娶ってもいいか、どうか。それが聞きたい。家人共も、いってくれ、遠慮なくいってくれ。この館の北の方としてよいか、悪いかを」