Classici giapponesi con furigana
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たいらのまさかど
平の将門
吉川 英治
Leggi 平の将門 (たいらのまさかど) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 232.193 caratteri · 463 schermate
「それっ、合戦だ」
と、こぞり立って、煙を目あてに、野の十方から、駈け出したことは、たしかに、ここの広い土壌にもめったにない大異変であった。
しかも、その駈け出す者のほとんどが、優勢な常陸源氏のせがれ達の陣地へ行かず、豊田の殿の為に――と、将門方へついたという事も、彼にとって、幸か、不幸か、わからなかった。なぜなれば、そのため、俄然、将門は優勢となり、ほとんど、彼の思うままに、戦は勝ってしまったからである。
その勝ち方がまた、じつにひどかった。
扶たちの野寺の陣は、やがて将門について押し襲せた郎党と土民軍の攻勢に会って、一炬の炎にされてしまい、潰走する扶たちの部下も何十人となく討たれた。
その中で、気のつよい源隆が、矢にあたって、討死したし、また、三男の繁も、逃げそこなって、落命した。
こうなると、野獣化した猛兵は、とどまるところを知らないし、第一、将門自身が、憤怒の権化像の如きものであったから、勢い、常陸領へ越境し、野爪一帯ばかりでなく、大串、取木などの郷を焼きたて、常陸源氏の与党の宅舎から、武器を取り出したり、郷倉を破って、兵糧を獲たりして、ついに翌日も翌々日も、敵地を荒しつづけ、その範囲は、筑波、真壁、新治の三郡に及んだ。