Classici giapponesi con furigana
ja-reading.com
Leggi i classici giapponesi online con furigana. Filtra per livello JLPT, tocca una parola per il significato e traduci una frase.
たいらのまさかど
平の将門
吉川 英治
Leggi 平の将門 (たいらのまさかど) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 232.193 caratteri · 463 schermate
そして、しばらくまた、沙汰もなかった。
すると、三月の末。さいごの判決が、朝議の末、公卿列座の上、いい渡された。
「将門の罪は、厳罰に値するが、折ふし、天皇御元服の大赦あるによって、赦免、仰せつけられる。帰国して、謹慎を示すがいい」
無罪であった。将門は、夢みるごとく、かえって、ぽかんとしていた。
貞盛への申し渡しには、
「一族内紛の蔭には、何よりも、平良持の遣領が、争いの因になっていると断じる。よろしく、将門に渡すべき荘園の地券や、田領の証書など、一切を、このさい返却して、和解いたすように」
と、あった。
貞盛には意外だった。落胆顔は、いうまでもない。非常な不平である。しかし、返すことばもなく、命を奉じて、その日は退廷した。
将門は、国へ早馬を立て、
「訴訟は、勝った」と、妻や一族へ、便をもって、先に報じた。
それから初めて、彼は、自分の身になったような心地で四、五日、京洛を歩きまわった。妻の桔梗へ、都のみやげをと、都の臙脂だの、香油だの、めずらしい織物など買って、いそいそ、暮した。
きょうも彼は、八坂、祇園林など、遅桜の散りぬく下を、宿の方へ、戻りかけていた。