Classici giapponesi con furigana
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たいらのまさかど
平の将門
吉川 英治
Leggi 平の将門 (たいらのまさかど) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 232.193 caratteri · 463 schermate
「――今朝は、立つのか」
不死人は、早朝にやって来て、彼の帰国を見送った。そして、別れ際に、これだけは、声を、ひそめて、真面目にいった。
「南海の藤原純友が、いよいよ、暴れはじめた。官庫の財政も、出費で、火の車だ。討伐の官兵たちは、いくら増派されても、鎮まるまい。――ところで、将門、御辺の方も、そろそろ、時機だぞ」
「時機とは」
「まだあんな事をいっている……」と、あきれ顔に「純友との約を果たすことだ。呼応して、兵を、東北の地と、南海で挙げることだ」
「おれにそんな力はない。叡山の約束なら、あれはもう反古にしてくれ」
「そうはなるまい。天下の大事を約しておいて」
「身内の喧嘩にさえ、精いっぱいだ。天下に、何を野望しよう。おれは、くたびれた。ただ、国へ帰って、平和な燭のそばで、妻の顔が見たい」
将門は、馬上になって、それきり振り返らなかった。三人の従者をつれ、蹴上へさして、駒を早めた。不死人はなお、逢坂口までついて来て、
「いずれ、純友に会ってから、秋ごろにはまた、東国へ下ってゆく。なお、ゆるりと、そのとき話そう」と、告げて別れた。
家郷を離れてから、いつか半年はたった。