Classici giapponesi con furigana
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たいらのまさかど
平の将門
吉川 英治
Leggi 平の将門 (たいらのまさかど) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 232.193 caratteri · 463 schermate
「これは、癒らぬ病ではない。わしも、かつて同じ病にかかったことがある。その薬を届けて進ぜる」
と、いって帰った。
将門は、その人のうしろ姿を伏し拝んで、
「ああ、申しわけがない。あの人には、何事も怺えとおせと、いつも、堪忍が大事だという御意見をよく伺っていたのに……。ついに、こんなみじめな自分の姿を見せて」
と、病床に、涙を流していた。
数日の後、景行の使いが、薬を届けてよこした。薬草袋を煮ては、毎日何度となく、その薬を飲みつづけた。驚くほど、尿がよく出る。それに比例して、気分が際立って爽快になってきた。
将門は、ひとり語に、
「おれは癒る!」
と、大声でいった。すると、空洞の木霊がグワンと(おれは、なおるっ)と、それに和すように、もう一ぺん聞えた。
肉体に、健康がよび返され、その健康が、彼の彼らしい意志気力を、恢復してくると、
「はて。おれはどうして、こんな目に遭っているのか。相馬小次郎将門ともある者がだ。おれは、決して、喧嘩に負けて凹むような男ではない。……そうだ、おれは合戦に敗れたのではなく、おれはおのれの病気に負けたのだ」
むらむらと、こんな考えかたが、頭を擡げてきた。