Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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たいらのまさかど

平の将門

吉川 英治

Leggi 平の将門 (たいらのまさかど) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 232.193 caratteri · 463 schermate

Aozora Bunko

(桔梗よ、わが子よ、因果は、こんなものだ。お前たちだけが、悲運なのではない)

しかし彼は、眼のまえの敵将の女たちを、桔梗が受けたごとくに、また、わが子がされたように、刃を以て、なぶり殺しにする気にはなれなかった。

むしろその正反対な、憐れみすらわいて、つい、彼らしくもない一首の和歌をよんで、恨みの代りに、彼女らに示したと、伝えられている。その和歌は、

よそにても風の便りをわれは問ふ枝離れたる花の宿りを

貞盛の妻は、泣きぬれながら、

よそにても花の匂ひの散りくればわが身わびしとおもほへぬかも

と、返歌し、また、源扶の妻も、将門の情に、一首の和歌をよみ、共に、縄を解かれて、放たれたという、一挿話がある。

将門のような坂東男でも、多年、都に遊学し、右大臣家のみやびも真似ていた時代もあるのだから、生涯に一度や二度の彼の作歌があっても、べつだん、それだけを怪しむことはないが、しかし、この話は、たれか後世の将門びいきが作為したものではあるまいか。彼の歌も、貞盛の妻の歌も、何となく、そらぞらしい。巧拙はとにかく、そんなばあいの真情らしい余情もひびきも感じられない。