Classici giapponesi con furigana
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たいらのまさかど
平の将門
吉川 英治
Leggi 平の将門 (たいらのまさかど) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 232.193 caratteri · 463 schermate
「おねがいします。まだ、お会いいたしませぬが、兄上の貞盛どのにも、どうかよろしく、仰っしゃってください」
「よし、よし。心配するな……」と、繁盛は、のみ込んで、別れかけたが、またふと、足をもどして――
「おい、小次郎。近いうちに、もひとり、坂東者が、きっと、右大臣家へ顔を出すぜ」
「へえ。誰ですか」
「九条家の者から聞いたのだが――下野国安蘇郡田沼の土豪で、俵藤太秀郷というのが、なんでも、下野ノ牧の馬やら、たくさんな土産物をもって、お礼に上ってくるとかいうはなしだ……。九条家へも、右大臣家へも」
「下野の秀郷の名は、私の郷のほうへも聞えています。けれど、その秀郷は、私がまだ豊田郷にいた頃に、何か、大きな争いを起して、流罪になったとかいう評判でしたが」
「それが、一昨年、赦免になって、下野に帰っていたのだ。一年は、謹慎していたが、もう、よかろうというので、都上りさ。……もちろん、そのお礼のためにだよ」
その日は、それで別れた。
しかし、繁盛と会い得たことから、彼の希望は、一そう大きく膨らんでいた。ほかの雑人たちと一つに、舎人の屋の板じきに、素むしろを敷き、蚊に喰われ、奴僕生活の貧しい中にあっても、小次郎の夢には、未来が自由に描かれた。