Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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たいらのまさかど

平の将門

吉川 英治

Leggi 平の将門 (たいらのまさかど) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 232.193 caratteri · 463 schermate

Aozora Bunko

天皇をはじめ、総じて、一夫多妻はあたりまえな慣いとされている世なので、この君が、忠平にとって、何番目の夫人というべきかなどは、詮索のかぎりでない。けれど、いぶかるべきは、かりにも、時めく大臣の愛人であるものが、いつのまにか、いつからここに住むようになったのか、邸内でも知る者がないのだった。それのみか、氏素姓を何よりやかましくいう階級において、この君の身元についても、誰知る者もないのである。

この不審が、もっとも露骨にささやかれているのは、下司の陰口といわれる通り、何といっても、下部の仕え人たちである。

「……見たか」と、いい、「……いや、見ぬ」といい。

「おれは、ちらと、垣間見たぞ」というのがあれば、「じゃあ、おれも何とか、いちどは覗いてみなくては」と、秘苑の花に妄想をもつのであった。なべて、高貴な上淫に異様な、妄念にこがれるのは凡下のつねで、そのささやきは、餓鬼が壁をへだてて、隣の食物のにおいに美味を想像するのと異ならない。声こそヒソヒソだが、凄じいの何の、いうばかりもない。

その紫陽花の壺へは、老家司の臣賀のほかは、庭掃除の舎人でも、男は、ゆるしなくは入れぬことになっているが――麗人を見たという幸運なる一人の雑色のはなしによると、「お年ごろは思いのほか、二十四、五に見られたが、それはもう、この世のひとと