Classici giapponesi con furigana
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かいじょうのみち
海上の道
柳田 国男
Leggi 海上の道 (かいじょうのみち) di 柳田 国男 (やなぎたくにお) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 182.344 caratteri · 353 schermate
ただ我々はそんな概括論に一任する前に、もう一ぺん自分の内の歴史を調べてみる義務を負うた、群島国の学徒なのである。弥勒世という名目は足利時代の後期にも、関東に私年号の一つを発生せしめるほどに有力に国内に拡まった。今でも私は六つ七つの土地において、現在その語のまだ話題になっていることを経験した。それが稲作の収穫の労せずして豊富な世の中を意味することは、南端の島々も同じであったが、それをいずれか一方から運ばれて、そうなったということはまだ断定しにくい。ことに後者には、それが太古以来の神々の故国の名であることはみな知っていたのである。そうして日本の方では昔も今のごとく、中心都府の学問知識だけが、田舎との話し合いもなく、法外に突進していたのである。利根川の水量が今日の三分の一よりもまだ少なく、川口の砂山はまだ生まれず、鹿島・香取の二大社の前面まで、海の潮がゆたかに湛えていた時代に、印度の仏さまとやや近い名をもった海の神が、船に乗り数々の福徳を満載して、たとえば宮古島の世積綾船のように、折々はそっと入ってこられることがあったという奇跡を信じて、それを世の中の最もわびしく貧しかった時代にまで、持ち伝えたとみることもまた不可能ではない。