Classici giapponesi con furigana
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かいじょうのみち
海上の道
柳田 国男
Leggi 海上の道 (かいじょうのみち) di 柳田 国男 (やなぎたくにお) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 182.344 caratteri · 353 schermate
島に鼠がいることだけは昔からであっても、年によってそれが百倍にも二百倍にも数を増し、次の年はたちまちうんと少なくならなければ、全体が活きて行けないという状態は、特にこの竹の実の成熟の、長い週期をもつ島々において、著しかったものではなかろうか。精確な記録はなかったようだけれども、北海道の奥尻の島に、年によって鼠が多かったり少なかったりしたのも、原因の一つをこういう天然の事実に求めることができるのではないか。というわけは他にもなお一つ、是とやや似た話が伝わっているからである。
島根県の西部海上、石見高島の鼠の話が、本居先生の『玉勝間』巻七に出ている。此島鼠多く、人をも害することあり、或年浜田より人を遣わし駆除せしめらるるも効無しとある。この書の出版は寛政十一年(一七九九)、ちょうど北辺の島で網に鼠がかかったというのと、ほぼ同じ頃の話であった。二十万分の一の地図には無論載っているが、この島の記事は、他には何の書物にも見つけ出せない。或いは現在すでに無人島になっているのではないか。県郡の吏員にでも尋ねてみたいと思う。『玉勝間』の記事は石見の人の書信または談話を録したものらしいが、島の大きさは周五里、岸は皆懸崖なり、浜田より五里といえど遠しとある。