Classici giapponesi con furigana
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かいじょうのみち
海上の道
柳田 国男
Leggi 海上の道 (かいじょうのみち) di 柳田 国男 (やなぎたくにお) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 182.344 caratteri · 353 schermate
した程度に、大洋との交通の考えられやすい土地であった。或いは尋常の貝石玉藻の類、または流木や魚の群以外に、時あって遠い常世国を偲ばしめるような、珍らかなる寄物を吹き寄せて、土地の人の心を豊かにした故に、こういう潟の名を世に残したのではないか。アユチのチは東風をコチというチも同じに、やはりめでたき物をもたらす風を、もとはここでもアユチと謂っていたのではないかと思う。
国の大昔の歴史と関係する古い幾つかの宮社が、いずれも海の滸りに近く立っているということを、ややおろそかに考える風が久しく続いたが、日本が島国であり、海を渡ってきた民族である限り、是はいつかは補強せらるべき弱点であって、それにはまず隠れたる海上の道というものの、次々と発見せられる日を期待しなければならない。それが待遠に堪えぬとすれば、やはりこういう多少のゆかりある雑談を試みて、ちょっとでも今日の希望を濃やかならしめるのが、よいかと思う。
途方もなく古い話だが、私は明治三十年の夏、まだ大学の二年生の休みに、三河の伊良湖崎の突端に一月余り遊んでいて、このいわゆるあゆの風の経験をしたことがある。