Classici giapponesi con furigana
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かいじょうのみち
海上の道
柳田 国男
Leggi 海上の道 (かいじょうのみち) di 柳田 国男 (やなぎたくにお) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 182.344 caratteri · 353 schermate
ことが、そう容易ではなかったのである。『おもろ草紙』の多くの歌を見ても、テダという語の用法は、旧日本の方よりもずっと弘い。独り全土を統一した最高の王者のみと言わず、島々のかはら即ち頭、一地に割拠した大小の按司・世の主もまたテダであった。いわゆるテダが末、すなわち日の神の後裔という想像は、この海上の国において承認せられやすかったので、それというのもその本源のニライカナイが、八重の波路の遥かあなたとは言いながらも、必ずしも往来しがたい処とまでは考えられなかったからであろう。実際にまた人がこの海中の国へ招かれて遊びに行き、いろいろ御馳走になり宝物をもらい、またはニルヤの大主のたった一人の娘を、嫁に所望して連れて還ったというほかに、黄金をひり出す猫や小犬を、譲り受けてきたというような昔話が、あの島この島に数多く語り伝えられている。無論この通りの事実がかつてあったとは言えないが、こういった昔話の成立は一つの歴史である。ことに鼠が海を渡ってくるというまでは、稀々に新らしい現実の証拠もあった。いわゆるテダが穴の信仰のなお活きていた時代ならば、彼らを神の子の最も好ましからぬものとして、故郷に喚び戻し閉じ籠めて置いていただこうという祷りが、熱烈であったのも当然と見てよかろう。