Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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かいじょうのみち

海上の道

柳田 国男

Leggi 海上の道 (かいじょうのみち) di 柳田 国男 (やなぎたくにお) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 182.344 caratteri · 353 schermate

Aozora Bunko

第二、第三の方法は必ず試みられなければならない。

椰子の実の日本語は、いつの昔からともなくヤシホまたはヤシゥであった。是が器物として利用せられたのも年久しい事であろうのに、あんな古い記録の次々と承け継がれていたばかりに、近世になるまで依然として一種の珍奇であった。手近な例として挙げられるのは、江戸叢書の中にも採録せられた『嘉陵紀行』、是は村尾嘉陵という江戸の小吏が、勤務の暇あるごとに郊外の各処に日返りの旅行をした日記を集めたもので、時は文化から文政に掛けての、十数年のことだったかと記憶する。或る日新井の薬師から江古田の村あたりをあるいて、路傍の休み茶屋の豆腐屋を兼ねた店先に腰を掛けると、その家の老婆が頻りに嘉陵が携えていたヤシホの盃に目を留め、その名を尋ね知っていよいよ珍らしがり、やがて出て行って一合ばかりの酒を求め来り、どうか一つめしあがったあとで、私にもその盃でいただかせて下さい、といったという話が、至って素朴に記述してあった。僅か百年と少し前までは、こういった快活な女性が、まだあの辺りにもいたということもなつかしいが、同時にまたこの一種のエキゾチシズムが無限に持続して、ついに我々の学問に繋がるのも愉快だと思う。