Classici giapponesi con furigana
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かいじょうのみち
海上の道
柳田 国男
Leggi 海上の道 (かいじょうのみち) di 柳田 国男 (やなぎたくにお) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 182.344 caratteri · 353 schermate
ただあの茫洋たる青海原に突き進み、ことに一点の目標もない水平線を越えて行こうとするには、ちょうど最近代の航空も同じように長期の経験と準備と、また失敗とを重ねずばならなかったのは当然であろう。帆というものの考案も、早く始まっていたことは疑われないが、その構造と操作の方法が、完備したのは近世のことであった。四面海に囲まれた日本のような国ですらも、まだ老翁の記憶の境まで、その利用は単純を極めており、前代文献の書き伝えたかぎりでは、舟はただ磯づたいに漕ぎめぐり、たまたま二つの海角の間を直航するときだけは、マギルと称して帆を用いたが、是は素よりその日の風次第であった。大洋の知識の少しずつ拡大してきたのは、今も続いている釣舟が主たる機会だったかと思う。『万葉集』の浦島子の歌にも有るように、海境を過ぎて漕ぎ行くという作業が普通であって、是には帆を用意せぬ小舟も多かったから、次第に大胆に遠く出る者があったとはいうものの、いつでも地方にアテすなわち目標を見定めていて、よほど確かな船頭をもたぬかぎり、山ナシという水域までは出ないようにしていた。しかも各人の努力勇気の加わるにつれて、次第に隣の陸地の存在を知る場合が多くなり、稀には少時間の空漠を耐え忍んで、目に見えぬ島々を心ざした者が、意外な幸運を見つけて帰ってきてその体験を