Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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かせいへいだん

火星兵団

海野 十三

Leggi 火星兵団 (かせいへいだん) di 海野 十三 (うんのじゅうざ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 307.889 caratteri · 618 schermate

Aozora Bunko

僕の落っこったところは、屋敷の外まわりに芝の植っている堤がありますね。あの堤を越して、下にごろごろと落ちて、気を失っていたんです」

聞けば聞くほど、あぶない命のせとぎわであった。よくぞ千二少年は、一命が助かったものであった。

堤下の、さつきの繁みの中に、気を失っていたので、あとをおいかけていた警官は、そばまで来ながら、千二がいることには、気がつかなかったものらしい。

いや、警官たちは、それよりも、崖下に落ちていった自動車のことばかりに、気をうばわれていたのかも知れない。自動車は、怪人丸木をのせたまま、崖から下へ落ちていった。そうして、めちゃめちゃにこわれてしまい、やがて車体は火に包まれてしまったのだ。誰も彼も、この方に注意をうばわれたのは、もっともだった。

「ふうん、全く、驚いた話だ」

と、新田先生は、大きな息をついて、千二少年の命びろいを喜び、

「その運転手は、怪人丸木にちがいないかね」

「丸木ですよ。僕は、丸木の顔をよく知っていますから、見ちがえるようなことはありません」

「ふうむ、やっぱり、ほんとの怪人丸木か。あいつは、もう、こっちにはいないだろうと思っていたのに」