Classici giapponesi con furigana
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かせいへいだん
火星兵団
海野 十三
Leggi 火星兵団 (かせいへいだん) di 海野 十三 (うんのじゅうざ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 307.889 caratteri · 618 schermate
だが、そんなことで離れるような相手ではない。
ひゅう、ひゅう、ひゅう。
かの怪物は、うなり出した。
「うぬ、この野郎!」
千二は、もう必死だ。相手が離れないと見ると、そのままずるずると相手をひきずって、岩の先の方へ――。
怪物は、驚いたか、また一段とうなりごえも高く、妙な紐で千二の首をしめつける。いよいよ千二の息は、止りそうだ。死んではならない。その時千二は、
「えい!」
と叫んで、どうと横に転がった。
千二は、怪物もろとも、どうと横にころがった。にぶい音がした。怪物が、横腹をうったのである。
天狗岩のうえを、千二と怪物とは、取組んだまま、上になり下になり、ごろごろと転がる。
「なにくそ。負けてたまるものか」
と、千二はどなっているが、実のところ、どうやら怪物の方が力がつよいようだ。千二は、すこぶる危い!
「ま、負けてたまるか!」
そのとき怪物は、千二のうえにのしあがって、があんがあんと、かたい身体を千二にぶっつけるのであった。その痛いことといったら、まるで自動車につきあたられるような気持であった。怪物は、千二をおしつぶすつもりらしい。
このとき、千二の気持は、かえってだんだんおちついてきた。