Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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かせいへいだん

火星兵団

海野 十三

Leggi 火星兵団 (かせいへいだん) di 海野 十三 (うんのじゅうざ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 307.889 caratteri · 618 schermate

Aozora Bunko

と弓形老人は、茶わんを盆の上において、新田先生の前に差出しながら、

「あの火は、わしらも何の火だろうかと、うわさし合っているのでがすよ」

南の山の上に、ちろちろと見えたり消えたりする火! 先生が気にして、老人に尋ねると、老人も知らないと言う。

「昔から、あの火はあるのですか」

と、新田先生は尋ねた。

山の上の火のうわさ! 弓形老人の顔が少しこわばった。

「それが先生、わりあい、近頃のことでがすよ。昔は、あんな火は見えなかった」

「ああ、そう」

新田先生は、うなずいて、

「あの火は一体何の火ですかね」

「さあ、それがどうも正体が知れないのでしてな」

弓形老人は、首を左右にふった。

「この村の人で、誰もあの火のことは知らないのかなあ。ちょっと、気になる火じゃないですか」

「新田先生。あそこまでは、なかなかけわしくて、近づけないのでがすよ。第一、途中はこの間まで雪がふかくて、とても上れなかったんです」

「それで、あの火のところまで、行ってみた者がないというわけですね」

「この村の者じゃないが、一週間ほど前に、一人の男が、あの火のことをうわさしながら、上って行きましたがな。