Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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かせいへいだん

火星兵団

海野 十三

Leggi 火星兵団 (かせいへいだん) di 海野 十三 (うんのじゅうざ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 307.889 caratteri · 618 schermate

Aozora Bunko

それはもちろん火星兵団の宇宙艇であった。

火星兵団の宇宙艇は、前と後とに、大きな魚の目のような窓がまぶしく光っており、艇全体が、薄桃色の光の霧のようなものでおおわれていた。形から言っても、ピート大尉のロケットを金魚ぐらいにたとえると、火星兵団の宇宙艇は、一メートル以上もある大きな鯉のようで、とても、くらべものにならなかった。宇宙艇はどんどんロケットに追いせまり、やがて、

「あっ!」

という間に、ピート大尉の乗ったロケットは、氷の塊が熱した鉄板の上に置かれた時のように、外がわからどろどろととけ出した。

どろどろととけ出したロケット!

全く不思議な光景だった。

ピート大尉の乗ったロケットは、見る見るうちに、空間から消えてしまった。

ロケットのあとをここまで追いかけた火星の宇宙艇は、任務を果したので、うしろへもどりながら、マルキ総兵団長のところへ電話で報告をして来た。

「ピート大尉のロケットは、完全にとけ終りたり」

怪人丸木は、それを聞いて、

「ふん、そうか。それで一先ず片づいた。火星まで行かれてたまるものか」

と、安心した。

しかし、安心はまだ早かった。

ピート大尉が火星兵団の宇宙艇にやられてしまったことが、まだ人間の世界には知れていないと見え、同じアメリカのところどころから、別のロケットが、火星の方に向いて出発