Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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かせいへいだん

火星兵団

海野 十三

Leggi 火星兵団 (かせいへいだん) di 海野 十三 (うんのじゅうざ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 307.889 caratteri · 618 schermate

Aozora Bunko

千二は、火星に近づいたので、何だか、急に嬉しくなった。彼は、火星の見える窓にのびあがって、しきりに眺めている。

だが、変なことに、火星のおもては、地球のようにはっきりしない。何となく、どんよりと曇っている感じだ。

ちょうど、苔のついた古い金魚ばちの中へ、地球儀をほうりこんで、それを外から見ているような感じだ。

千二は、そのことを新田先生に話した。すると先生は、

「それはね、火星の外側は、塵のようなものが、たいへんたくさん集っていると、ある学者が発表したことがある。だから、その火星塵の、あつい層を下へつきぬけなければ、火星の表面は、はっきり見えないわけだ」

「火星塵の、あつい層ですか。地球にはないものが火星にはあるのですね」

「そうだ。地球と火星とは、形こそ似ているが、違うことはいろいろたくさんあるよ。ほら、あそこをごらん。火星のお月さまが見える」

「えっ、どこですか」

「あそこだ」

先生の指さすところをよく見ると、なるほど、月らしいものが浮いている。

「ああ、あれが火星の月か」

と言ったが、千二は、へんな顔をして、

「先生、あれはなんでしょうか。こっちの方からも、月のようなものが出て来ましたよ」