후리가나로 읽는 일본 고전
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しんしゅうこうけつじょう
神州纐纈城
国枝 史郎
国枝 史郎의 神州纐纈城(しんしゅうこうけつじょう)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 188,242자 · 380화면
二
顱頂部にある一掴みの髪が、紙のように白く変色しているのも、悪病のさせた業であろう。
嘔吐を催させる悪臭が、いつか部屋を立ちこめていたが、脱疽特有の悪臭であった。
解剖台の横に立ち、患者の様子を見下していたのは、手術衣を纏った老人であったが、一本のメスを取り上げると、トントンと卓の縁を打った。と、それを合図にして、後房の垂れ布を左右へひらき、一人の若々しい青年と、一人の乙女とがはいって来たが、つと乙女は卓の側へ行き、青年は棚から銀盆をおろし、火炉の前へ佇んだ。
残忍といえば残忍ともいえ、奇怪といえば奇怪ともいえる、人体解剖の行われたのは、実に、その次の瞬間からで、
「眠剤を!」
と老人は厳かに云った。
「…………」無言で卓の上の香箱を、つと取り上げた美しい乙女は、それを老人の手へ渡した。香箱を受け取った老人は、やおら箱の蓋を取り去ったが、それを患者の鼻へあてると、しばらく様子を窺った。
二
「よし」というと、蓋を冠せ、卓の方へ押しやった。
やがて「メスを」と老人は云った。と、磨ぎ澄まされた大メスが、乙女の手で渡された。その刃先がブッツリと喉仏の下へ刺されたとたん、犠牲者の全身を貫いて、波のような痙攣が伝わったが、次の瞬間にはいとも穏かな、絶対の平和が帰って来た。