후리가나로 읽는 일본 고전
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みちくさ
道草
夏目 漱石의 道草(みちくさ)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 145,812자 · 293화면
三十七
それは喜代子という彼の長女の出産届の下書であった。「右者本月二十三日午前十一時五十分出生致し候」という文句の、「本月二十三日」だけに棒が引懸けて消してある上に、虫の食った不規則な線が筋違に入っていた。
「これも御父さんの手蹟だ。ねえ」
彼はその一枚の反故を大事らしく健三の方へ向け直して見せた。
「御覧、虫が食ってるよ。尤もそのはずだね。出産届ばかりじゃない、もう死亡届まで出ているんだから」
結核で死んだその子の生年月を、兄は口のうちで静かに読んでいた。
三十七
兄は過去の人であった。華美な前途はもう彼の前に横わっていなかった。何かに付けて後を振り返りがちな彼と対坐している健三は、自分の進んで行くべき生活の方向から逆に引き戻されるような気がした。
「淋しいな」
健三は兄の道伴になるには余りに未来の希望を多く持ち過ぎた。そのくせ現在の彼もかなりに淋しいものに違なかった。その現在から順に推した未来の、当然淋しかるべき事も彼にはよく解っていた。
兄はこの間の相談通り島田の要求を断った旨を健三に話した。しかしどんな手続きでそれを断ったのか、また先方がそれに対してどんな挨拶をしたのか、そういう細かい点になると、全く要領を得た返事をしなかった。