일본어 읽기 연습

후리가나로 읽는 일본 고전

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みちくさ

道草

夏目 漱石

夏目 漱石의 道草(みちくさ)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.

N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 145,812자 · 293화면

아오조라 문고

四十六

今度は健三の方が苦笑する番になった。彼はその青年に仏蘭西のある学者が唱え出した記憶に関する新説を話した。

人が溺れかかったり、または絶壁から落ようとする間際に、よく自分の過去全体を一瞬間の記憶として、その頭に描き出す事があるという事実に、この哲学者は一種の解釈を下したのである。

「人間は平生彼らの未来ばかり望んで生きているのに、その未来が咄嗟に起ったある危険のために突然塞がれて、もう己は駄目だと事が極ると、急に眼を転じて過去を振り向くから、そこで凡ての過去の経験が一度に意識に上るのだというんだね。その説によると」

青年は健三の紹介を面白そうに聴いた。けれども事状を一向知らない彼は、それを健三の身の上に引き直して見る事が出来なかった。健三も一刹那にわが全部の過去を思い出すような危険な境遇に置かれたものとして今の自分を考えるほどの馬鹿でもなかった。

四十六

健三の心を不愉快な過去に捲き込む端緒になった島田は、それから五、六日ほどして、ついにまた彼の座敷にあらわれた。

その時健三の眼に映じたこの老人は正しく過去の幽霊であった。また現在の人間でもあった。それから薄暗い未来の影にも相違なかった。