후리가나로 읽는 일본 고전
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みちくさ
道草
夏目 漱石의 道草(みちくさ)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 145,812자 · 293화면
前には野原のように広い紙漉場があった。其所を折れ曲って町つづきへ出ると、狭い川に橋が懸っていた。川の左右は高い石垣で積み上げられているので、上から見下す水の流れには存外の距離があった。橋の袂にある古風な銭湯の暖簾や、その隣の八百屋の店先に並んでいる唐茄子などが、若い時の健三によく広重の風景画を聯想させた。
しかし今では凡てのものが夢のように悉く消え失せていた。残っているのはただ大地ばかりであった。
「何時こんなに変ったんだろう」
人間の変って行く事にのみ気を取られていた健三は、それよりも一層劇しい自然の変り方に驚ろかされた。
彼は子供の時分比田と将棋を差した事を偶然思いだした。比田は盤に向うと、これでも所沢の藤吉さんの御弟子だからなというのが癖であった。今の比田も将棋盤を前に置けば、きっと同じ事をいいそうな男であった。
「己自身は必竟どうなるのだろう」
衰ろえるだけで案外変らない人間のさまと、変るけれども日に栄えて行く郊外の様子とが、健三に思いがけない対照の材料を与えた時、彼は考えない訳に行かなかった。
七十
元気のない顔をして宅へ帰って来た彼の様子がすぐ細君の注意を惹いた。