후리가나로 읽는 일본 고전
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さんごくし
三国志(五)
吉川 英治
吉川 英治의 三国志(五)(さんごくし)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N1. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N1 · 고급 · 신자체·신가나 · 325,249자 · 653화면
夜はすでに、五更の頃おいであった。振りかえると、赤壁の火光もようやく遠く薄れている。曹操はややほっとした面持で、駈け遅れて来る部下を待ちながら、
「ここは、何処か」と、左右へたずねた。
もと荊州の士だった一将が答えていう。
「――烏林の西。宜都の北のほうです」
「宜都の北とな。ああそんな方角へ来ていたか」
と曹操は、馬上から、しきりに附近の山容や地形を見まわしていた。山川峨々として樹林深く、道はひどくけわしかった。
「あはははは。あははは」
――突然、曹操が声を放って笑い出したので、前後の大将たちは奇異な顔を見合わせて彼にたずねた。
「丞相。何をお笑いになるのですか」――と。
曹操は、答えていう。
「いや、べつだんな事でもない。今このあたりの地相を見て、ひとえに周瑜の浅才や、孔明の未熟が分ったから、ついおかしくなったのだ。もしこの曹操が周瑜か孔明だったら、まずこの地形に伏兵をおいて、落ち行く敵に殲滅を加えるところだ。――思うに赤壁の一戦は、彼らの怪我勝ちというもので、こんな地の利を遊ばせておくようでは、まだまだ周瑜も孔明も成っておらぬ」
敗軍の将は兵を語らずというが――曹操は馬上から四林四山を指さして、なお、幕将連に兵法の実際講義を一席弁じていた。