후리가나로 읽는 일본 고전
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さんごくし
三国志(五)
吉川 英治
吉川 英治의 三国志(五)(さんごくし)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N1. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N1 · 고급 · 신자체·신가나 · 325,249자 · 653화면
山谷笑う
一
矢は、黄蓋の肩に立ち、あッという声と共に、黄蓋は波間へ落ちた。
あわてた呉兵が、黄蓋の姿を水中に求めているまに、からくも曹操は、烏林の岸へ逃げあがった。しかし、そことて、一面の火焔、どこを見ても、面も向けられない熱風であった。
一時は、小歇みかと思われた風速も、この広い地域にわたる猛火にふたたび凄まじい威力をふるい出し、石も飛び、水も裂けるばかりだった。
「――夢じゃないか?」
顧みて曹操は、茫然とつぶやいた。さもあろう。一瞬の前の天地とは、あまりな相違である。
対岸の赤壁、北岸の烏林、西方の夏水ことごとく火の魔か敵の影ばかりである。そして、彼の擁していた大艦巨船小艇――はすべて影を没し、或いは今なお、猛烈に焼けただれている。
「夢ではない! ああっ……」
曹操は、一嘆、大きく空へさけんで、落ち行く馬の背へ飛び乗った。
青史にのこる赤壁の会戦、長く世に謳われた三江の大殲滅とは、この夜、曹操が味わった大苦杯そのものをいう。そしてその戦場は、現今の揚子江流域の湖北省嘉魚県の南岸北岸にわたる水陸入り組んでいる複雑な地域である。
山谷笑う
一
八十余万と称えていた曹操の軍勢は、この一敗戦で、一夜に、三分の一以下になったという。