후리가나로 읽는 일본 고전
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さんごくし
三国志(五)
吉川 英治
吉川 英治의 三国志(五)(さんごくし)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N1. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N1 · 고급 · 신자체·신가나 · 325,249자 · 653화면
何のためらうことがあろう」と、いった。
許※(「ころもへん+睹のつくり」、第3水準1-91-82)は、ふたたび鵲尾坡から取って返し、兵に下知して、進軍をつづけたが、一人の敵も出てこない。
「今に。……やがて?」と、一歩一歩、敵の伏兵を警戒しながら、緊張をつづけて進んだが、防ぎに出る敵も支えに立つ敵も現れなかった。
こうなると、張合いのないよりは一層、無気味な気抜けに襲われた。陽はいつか西山に沈み、山ふところは暗く、東の峰の一方が夕月にほの明るかった。
「やっ? ……あの音は」
三千余騎の跫音がはたと止まったのである。耳を澄まして人々はその明るい天の一方を仰いだ。
月は見えないが水のように空は澄みきっていた。突兀と聳えている山の絶頂に、ひとりの敵が立って大擂を吹いている。……ぼ――うっ……ぼうううっ……と何を呼ぶのか、大擂の音は長い尾をひいて、陰々と四山にこだましてゆく。
「はてな?」
怪しんでなおよく見ると、峰の頂上に、やや平らな所があり、そこに一群の旌旗を立て、傘蓋を開いて対座している人影がある。ようやく月ののぼるに従って、その姿はいよいよ明らかに見ることができた。