일본어 읽기 연습

후리가나로 읽는 일본 고전

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わたらせがわ

渡良瀬川

大鹿 卓

大鹿 卓의 渡良瀬川(わたらせがわ)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.

N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 280,528자 · 557화면

아오조라 문고

大臣連の姿の見えなかったのは、一同が総理大臣官邸に鳩首して重大評議をしていたからである。議会が午後六時五十分に散会して、民党の議員たちがそれぞれ意気揚々と宿舎へ引きあげた丁度その時刻に、一方松方総理大臣は宮中へ参内するために悠々と砂利道に馬車を駆っていた。

八時をどのくらい過ぎた頃であったろうか。燈火のついた議院の議事課へ、平山書記官長が深刻な顔付で入ってきた。室々を廻って議長をさがし歩いて来たのである。彼は議長の姿を見るとつかつかと歩み寄り、黙って紙片を手渡した。衆議院解散の勅令であった。議長は、ややしばらく無言で感に打たれたように目をすえていたが、

「一刻も早く知らせるべきだ」とにわかに倉皇としだした。

早速に居残っていた書記たちが呼び集められた。通知状を刷るためにたちまち腕まくりで蒟蒻版の刷にとりかかるもの、封筒の表書を認めるもの……そら紙だ、そらペンだと給仕が追い使われた。まもなく三百枚の蒟蒻版がすりあがり、小使が配達に動員された。それぞれ小使たちをのせた人力車が掛けごえも勇ましく市内各処の議員たちの宿舎を目ざして宵闇に消えていった。

あたかも日に日に加わる院内の闘争の険しさと、政府が議員買収の実をあげつつあるという風聞に刺戟されて、東京には地方党員が続々と集結していた。